錦秋の上高地と「お船祭り」
2018年09月26日
上高地では、9月に入ると少しずつ黄色い葉が増え始める。
日々景色が変わりつつあって、毎日見ていても飽きない。
そして10月、晩秋の穏やかな日差しを受けて、カラマツの葉が次第に輝きを増してゆく。
上高地の木々は黄葉(こうよう)、黄金色の世界に変わる。
そんな上高地でありながら、梓川を遡って歩くこと1時間の地、明神は少し趣が違う。
とりわけ明神池の周辺は、緑色の中に、黄とともに赤く色づく木々がある。
波ひとつ立たない、しんとした水面に映る色とりどりの紅葉が一層美しい。
10月8日。今年も穂高神社奥宮例大祭「お船祭り」を迎える。
明神池はよく“神秘的”とか“神聖”と表されるが、この日だけは、静けさの中に漂う雅楽の落ち着いた調べや、平安朝の華やかさを伴う。
日本古来の厳かな美しさ。船の周遊を見守れば、うっとりする心地よさと、身の引き締まる感覚が交錯するのではないだろうか。
時は寒露。朝晩はすっかり肌寒くなり、野草に冷たい露がつく頃だ。
上高地のシーズン締めくくりにも近いこの日、明神池のほとりにたたずみ、山への感謝と無事安穏を皆さまと共に祈願したく存じます。
フロント Kamon(Ms)